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無理して Windows Vista を使う必要性はない

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2008年
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無理して Windows Vista を使う必要性はない
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◆ 無理して Windows Vista を使う必要性はない

2008年10月21日

PCに詳しい人ほど「Windows Vistaは嫌いだ」と答えます。逆に、PCにあまり詳しくない人ほど「新型のWindowsは良いものだろう」という発想があります。今回はWindows Vista (以下 Vista)を導入する必要性があるかどうかについて、店長の独断にて吟味いたします。

まず、NEC 8番街のサイトをご覧ください。このサイトは、NEC製のビジネスPC等についての情報を発信しているNEC公式のサイトです。「Windows Vista はここが違う!」と題して7つの改良点を挙げています。7つの改良点それぞれについて、店長の意見を書いていきます。

Windows Vista 7つの改良点 (出典:NEC 8番街)

NO.1:【インターフェースの改善】→プレビュー表示、フリップ3D、確かに便利な機能かもしれません。ただ、Windows XP (以下 XP)にも同じような機能があります。ご存じない方は、キーボードの[Alt]キーを押しながら[Tab]キーを何度か押してみてください。以下の右画像のような表示が出て、目的のWindowに簡単にアクセスできます。

Vistaのフリップ3D → XPのタスクリスト

NO.2:【検索性の向上】「Googleデスクトップ」というソフトをご存知でしょうか。これはファイル名だけでなく、ファイルの中身の文字列まで、検索可能な情報として保存(インデックス)していきます。もちろんXPにもインストールできるので、Vistaでないとこの機能が実現できないというのは間違いです。また、これらの情報を普段から保存(インデックス)していくため、パソコンを使っていないときでも電源が付いていればハードディスクがガリガリと音を立てていたりします(ハードディスク消耗)。正直、店長はこの手のソフトが大嫌いです。自分のパソコンの中の、どこにどんなファイルがあるか、それは自分で整理して正確に把握しておく必要があると思っています。おまけに、Googleデスクトップは非常に重たいソフトなので、普段からパソコンの動きを遅くする原因になりえます。

NO.3:【バックグラウンド処理の効率化】→これについてはどれくらい処理を効率化してくれるのか手元に実験データが無いので、正確なコメントはそのうち実験してからにします。もし、メイン作業の快適さに全く影響を与えない(速度低下が体感できない)ほど効率化してくれるなら、それはVistaのメリットとなりえます。XPに比べてVistaはメイン作業の優先度を高めに、バックグラウンドでの動作を低めに自動調整してくれるようなので、その辺りを詳しく分析したいと思っています。

NO.4:【起動時間の短縮】→XPで「さあパソコンしよう」と思ったら、電源ボタンを押して「起動」し、やめるときは終了オプションから「電源を切る」を選んで「終了」している人がほとんどです。ところが、スタンバイや休止状態が普通の起動・シャットダウンとどう違うのかをきちんと知っていて、さらにそれらを使いこなしていたユーザーはわずかだと思われます。起動・シャットダウンの時間を短縮したければスタンバイを普段から利用し、数日に1回程度は再起動させてあげれば、パソコンは安定して快適に動作するでしょう。中途半端でマイナーな機能であった「休止状態」と「スタンバイ」の両方をイイトコ取りしたのが「ハイブリッドスリープ」機能です。この機能はMicrosoftが強く推奨しているため、Vista機をシャットダウンしたつもりが実はスリープの状態だったということも多いはずです。これでは一度もシャットダウンすることなく数ヶ月間使い続けることも予想され、そこで発生しうる問題もあるのでは、と思っています。店のインターネット体験コーナーはVista機ですが、スリープ中でもCPUファンが回転(同様の例が多数あり)していますので、スリープ自体が不完全であることは確かなようです。また、メモリにデータを保存しておくということは、スタンバイと同じく「通電している状態」となるため、外出時のノートパソコンでのバッテリー消費は馬鹿になりません。

NO.5:【バックアップ】→WordやExcel等の更新履歴を自動で取ってくれるシャドウコピーと呼ばれる機能を指しています。これにより、誤って削除したファイルや上書きして消えてしまった情報などを救出することができます。Vistaのメリットとしてはまぁまぁと思われますが、多くのユーザーが使っていると思われるVistaの「Basic」や「Home Premium」には搭載されていない機能です。また、「復元」などの無料で使えるソフト(フリーソフト)を使えばXPでも実現できるため、誤って削除しても早期に気付けば復活させることが可能です。

NO.6:【マルウェア対策】→インターネットを使っていると、いつの間にか「スパイウェア」と呼ばれるプログラムに感染してしまうことがあります。Vistaはこれに標準で対応したようです。ただ、XPでも無料で導入できる「spybot(スパイボット)」「Ad-Aware(アドアウェア?)」があります。従って、Vistaはマルウェア対策として特に素晴らしい機能を追加したとはいえません。むしろ、WordやExcelを標準で搭載してくれたら嬉しいのですが…(^_^;)無理か。

NO.7:【暗号化】→パソコン内の情報が流出するのは企業にとって致命傷です。ちょっと難しい話になりますが、XPではいくらログインパスワードをかけたりファイルをパスワードで保護しても、Windows以外のOS(Linuxなど)をCD等から起動させれば、Windowsファイルを参照できてしまいます。これを防ぐのが暗号化と呼ばれる機能です。要は、こんな難しい話は一般のホームユーザーには関係なく、絶対に情報を流出させてはいけない企業で行っているガチガチのセキュリティ対策の穴を埋める機能、ということです。しかも、上で紹介したシャドウコピーと同じく、Vistaの「Basic」や「Home Premium」には搭載されていない機能です。

さて、今回は「NEC 8番街」のVista様万歳ページをヤリ玉に上げましたが、Vistaは一般的に見ても明らかに「好ましくない」と感じる点がたくさんあります。まず、バックグラウンドでXPよりも多くのプログラムがコソコソと動いているので「重い」、Aero Glassに代表されるXPを超える不必要なアニメーションがあり「作業に時間がかかる」、XPでもウザかった警告・注意・確認表示がさらに「ウザく」なっている等、好ましくない仕様となっています。XPに慣れているユーザーにとって、これらはVistaを避ける理由として最も有力でしょう。

ついでにメモリ搭載量について、XPでは512MBあれば一般用途では不足せず、1GBあれば重たいアプリケーションを立ち上げてもメモリ不足にはなりにくいです。2GB必要なのは動画編集する人か、もしくは本格的なゲーム機として使う場合など、非常に限られます。実際、店長のXPマシンも1GBしかメモリを搭載していません。ところが、「Vista Home Premium は最低でも1GB、推奨は2GB以上」と言われています。これは今まで(XPまで)はアプリケーションを起動させるときに初めて必要なデータをハードディスク上からメモリに読み込んでいたものを、最初からメモリに先読みしておくことで、アプリケーションの起動時間を短縮する目的があるためです。これはVistaで初めて搭載された「SuperFetch(スーパーフェッチ)」という機能です。どれくらい体感速度が上がるかの詳しい実験はしていませんので、またいつか報告したいです。一つわかっていることは、スーパーフェッチのせいでハードディスクへのアクセス量が格段に増えるということです。これは、ハードディスクの寿命を縮め、すなわちパソコンの寿命を縮めることにつながります。正直、アプリケーションをたかだか1〜2秒早く立ち上げる為に大量のメモリを食うのもどうか、と思うのが今の店長の意見です。ただおそらく、店長のこの考え方は2〜3年後には「時代遅れ」の考え方となっているでしょう。

最後に、最近少しずつですがVista機を使いたいと思うようになりました。これはVistaの機能に惚れたわけでもなんでもなく、単にお客様サポートでVista機を相手にする機会が増えてきたためです。パソコンでメシ食ってるにも関わらず最新のOSの仕様に精通していないのでは、パソコン屋として失格だと思われます。そのため、近いうちにメインマシンをVistaに移行したいと思っています。